メインエスパルス観戦記2018年大荒れに荒れた試合の中、去り行く仲間へ見せた「橙魂」

2018年11月25日

大荒れに荒れた試合の中、去り行く仲間へ見せた「橙魂」

2018 J.LEAGUE Division1 33th leg.
清水 3-3 神戸

 10日に行われたリーグ戦第32節vs名古屋戦では、前節vs湘南戦で退席処分を受けたヨンソン監督に代わり篠田コーチが采配を振るう中、前半は連係ミスやアスミスが散見されたものの、後半から翔太を投入し攻撃のギアを上げ、航也とドウグラスのゴールで名古屋に勝利!自力でJ1残留を決めたエスパルス。24日にはリーグ戦第33節vs神戸戦に臨みました。

 名古屋に勝利し勝ち点47となり、リーグ戦2試合を残して今季J1残留を決めたエスパルス。しかし試合内容は前半の連携ミスや守備の甘さなど、反省するべき点が山積した内容。オレンジ戦士の修正に期待したいところです。
 そして迎える神戸戦。神戸とは3月3日のリーグ戦第2節@ノエスタで対戦し4-2で勝利しています。しかしその後、神戸にイニエスタが新加入。ポドルスキとイニエスタという世界的なスタープレーヤーが在籍する神戸はまさしく大きな脅威といえそうです。しかし!今季の日本平での最終戦となるこの試合!チケットは早々に完売御礼!日本平を埋め尽くすオレンジサポーターを前にして、エスパルスが負けるわけにはいきません!リーグ戦の順位を一つでもあげるためには、この試合で勝利を掴み取りたいところ!そんなエスパルスをサポートするべく、この試合には今季最多の20,109人もの入場者数を記録。多くのエスパサポさんが、我らが聖地・日本平へ駆けつけてくれました。現地でサポートされた皆さん、本当にお疲れ様でした。

 試合に先立ち、兵働が今季限りで引退を表明。そして前日の11月23日に久米一正副社長兼GMが大腸がんで急逝した訃報がエスパルスにもたらされました。立て続けの寂しいニュース。しかし!エスパルスを去る2人に今季日本平最終戦ではなむけの勝利を決めることがオレンジ戦士の至上命題!ホーム最終戦で神戸を撃破し、2人を送り出す花道を作れるか!オレンジ戦士の橙魂を見せつけたい試合がキックオフ!

 エスパルスの久米一正副社長兼GMが23日に大腸がんで急逝。試合開始前の選手入場時、エスパルスゴール裏には「久米さん、清水に戻ってきてれてありがとう」という横断幕が掲げられました。また神戸の元GKコーチだった藤川孝幸さんが15日で胃がんで急逝。両チームの選手たちは試合前に黙祷をささげ、故人をしのんで喪章を巻いてプレーしました。
 
 エスパルスは今季チームトップの13得点を記録している航也と、今季途中加入ながら10得点のドウグラスが2トップを形成。中盤の底には凌兵と河合チャソが入り、悠悟がソッコとCBに入りました。
 
 試合は立ち上がりから球際で激しくぶつかり合う展開に。オレンジ戦士は最前線から運動量を惜しまずにプレスをかけ神戸のミスを誘い、神戸陣内でボールを奪うと攻守の切り替えを早くして、神戸ゴールに襲い掛かります。しかし引き分け以上で残留が決まる神戸も自陣では守備を固め、エスパルスは攻撃の突破口をこじ開けることができません。すると26分、センターサークル付近でボールを持ったイニエスタが右足で浮き球のスルーパスを送ると、江成ティーエリア内左に走り込んだ藤田が反応。左足で決められてしまい失点。エスパルスは1点を追いかける厳しい試合展開を余儀なくされてしまいます。
 しかしエスパルスはハーフタイムを待たずに取り返します!39分に河井チャソが神戸陣内でパスカットし、右の翔太とのワンツーでペナルティエリア内に進入!滑りながら左足で押し込みシュート!ボールはゴール正面に流れ込みゴール!河合チャソが7試合ぶりとなる今季3ゴール目を決めて、エスパルスが神戸に追いつきました!そしてそのまま前半が終了。1-1で試合を折り返します。
 
 後半開始直後の52分に古橋にループ気味のヘディングシュートを決められてしまい失点。その10分後の62分には三田のクロスを直接ゴールされてしまい失点。エスパルスは立て続けに2ゴールを決められてしまいます。
 しかし!オレンジ戦士は全く下を向きません!それどころかさらに橙魂を燃やし、神戸ゴールを狙います。しかしJ1残留には勝ち点が欲しい神戸もイニエスタやポドルスキといった選手を中心に攻撃を展開。攻守の入れ替わりが激しい試合となります。
 この試合は絶対に負けるわけにはいかない。ヨンソン監督は72分に翔太に代えてテセを、81分には航也に代えて石毛を投入。中盤から最前線にフレッシュな選手を投入し、さらにシステム変更を駆使して神戸ゴールを狙います。
 すると前半からラフなプレーが散見されていた神戸のプレーがさらにラフさを増し始めてしまいます。83分には神戸の藤田が2枚目のイエローカードを受けて退場処分に。数的優位に立ったエスパルスは、満員のオレンジサポーターの大声援を背に受けて神戸に猛攻を仕掛けます。
 そして試合終了間際の87分、后が神戸陣内左サイド中盤でボールを受けると、そこからゴール前ファーサイドへアーリークロス!!クロスはちょっと大きくなり、ファーサイドに流れたボールを飯田が受けると同サイドでテセに短いパス!!それをテセがゴール前にクロス!!これをドウグラスが強烈なヘディングシューート!!ボールはゴール左に吸い込まれてゴール!!エスパルスが神戸に1点差に詰め寄ります!!
 ついに試合はアディショナルタイムに突入。アディショナルタイムは4分の表示。オレンジ戦士は最後の力を振り絞って神戸ゴールを狙います。
 
 後半アディショナルタイム4分が経過しようとしていたとき、エスパルスにアクシデントが降りかかります。河井チャソが神戸DF橋本と空中戦で競り合い頭部を強打。そのままピッチに倒れこみ負傷。出血していた河合チャソにピッチ上で治療が行われましたが立ち上がることができず、頭部を固定されて担架でピッチを後にせざるを得なくなってしまいます。
 このピンチにヨンソン監督は98分、河合チャソに代えて兵働を投入。今季限りで現役を引退する兵働のいぶし銀のプレーでチームに冷静さと一撃を狙います。また橋本も負傷し退場。交代枠を使い切った神戸は2人少ない状況となりました。
 アディショナルタイムはとっくに4分を経過。しかし試合終了の笛はまだ鳴りません。99分にはポドルスキがボールに関係のないところで悠悟の胸付近に激突。胸を強打しうつ伏せに倒れた悠悟は約2分間動けず起き上がれなくなり、そのまま担架でピッチの外に運び出されてしまいます。
 負傷者2名を出してなお1点を追いかけるエスパルス。しかしオレンジ戦士は冷静に、しかし貪欲に神戸ゴールを狙います。するとアディショナルタイム14分が経過した104分、エスパルスが左CKをゲット!!!これがラストプレーになると思ったオレンジ戦士はGK六反も神戸ゴール前に上がり攻撃参加します!!!キッカーは石毛!!!石毛のクロスは神戸ゴール正面に飛び、それをGK六反が橙魂を賭した執念のヘディングシューーート!!!ボールはゴール左に吸い込まれてゴール!!!エスパルスが土壇場で神戸に追いつきました!!!
 
 そのまま試合終了かと思われましたが、主審は試合終了の笛を吹かず、プレーは続行されました。そしてアディショナルタイム15分の105分、エスパルスのスローインを石毛が受け、これに神戸のウェリントンが強引に身体を当ててボールを奪いイエローカードの判定に。これに激高したウェリントンがエスパルススタッフのいるサイドに向かい怒りをあらわに。これを見て両チームの選手やスタッフが入り混じりエキサイト。ポドルスキはエスパルススタッフに食って掛かり、イニエスタはエキサイトする神戸の選手を冷静に引きはがす場面も。
 事態が落ち着いたところで主審はウェリントンを呼び寄せ、この日2枚目のイエローカードを提示しウェリントンは退場処分に。さらに主審に抗議しようと詰め寄るウェリントンを制止しようと仲裁に入ったGK六反がウェリントンに胸ぐらを掴まれて投げ飛ばされるアクシデントが発生。試合は大混乱となってしまいます
 そしてウェリントンが退場しエスパルスのFKのチャンス!キッカーは兵働!ボールを置いて助走のために3歩下がり、天を仰ぎ大きく息をつき、そして左足を振り抜き渾身のFK!しかしボールは神戸DFにクリアされて試合終了。大荒れに荒れた試合は3-3の引き分けに終わりました。


 エスパルスは神戸に引き分け。勝ち点1を分け合いました。試合結果だけ見れば六反のJ1リーグ戦22年ぶりのゴール、PKを除けばJ1初となるGKのゴールで同点に追いつく劇的な試合。しかしその内容を見てみれば、両チーム両チーム合わせて退場者2名に負傷者3名、特に試合終了間際のあの大混乱は、Jリーグにとって大きな汚点となってしまったことでしょう。
 そんな大混乱の中、エスパルスの選手・スタッフは常に冷静だったように思います。河合チャソが倒れたとき、オレンジ戦士は主審に河合チャソの異常を訴え、大混乱の際にはいきり立つチームメイトをなだめ、またエスパルスチームスタッフに食って掛かるポドルスキをホペイロのポポさんまで制止に入り、ウェリントン退場の際には怒りをあらわにするウェリントンをGK六反が制止にはいり、そしてJリーグ史上前代未聞の18分51秒という長い長いアディショナルタイムが終了するまで、オレンジ戦士は集中を切らさずに戦い抜いた。試合終了後のインタビューでテセは「レフェリーにとってはアンラッキーな試合だった。今日は審判の方も(試合の中で)学んだと思う」「(試合に)勝てなかったのは残念だが、今日の試合はすごく興奮して楽しめたと思う。3-1から同点に追いついて、しかもゴールキーパーが(同点ゴールを)決めて、ゲームも荒れてこんな大味な試合は(あまり)ないと思うので、(今季の)ホーム最終戦を締めくくるには(選手にとって)すごくいいゲームだったと思う。」とコメント。主審のレフェリングに苦言しつつ、同点に追いついて終われたオレンジ戦士を評価していました。
 またヨンソン監督も試合後のインタビューでは「(昨夜亡くなった)久米さんの追悼の思いを胸に戦おうと話した。このゲームを落とすことなく、最後まで正々堂々と戦ってくれた選手を評価したい。レフェリーもミスは起こしうるもの。それを(選手)みんなでサポートして戦わなければならない。昔所属していた神戸の選手やスタッフのふるまいが評価できなかったことが残念だ。レフェリーや神戸の選手に対して残念な気持ちはあるが、つらい気持ちで戦った中で勝ち点が取れたことはよかったと思う。」と、テセ同様にオレンジ戦士を評価するコメントをしていました。
 
 あの大混乱の中、冷静になって自分たちがなすべきことを見失わず、そしてそれを着実に実行し最低限の結果を残すことができた。近年実力をつけつつあるオレンジ戦士が、サッカーの技術面でも精神面でも成長しつつあるということが実感できた試合だったと思います。

 次の試合はリーグ戦最終節vs長崎戦。次節が今季最終戦になります。長崎とは4月11日の第7節@日本平で対戦し0-1で敗戦しています。そして長崎は今季J2降格が決定しており、その雪辱を果たすためには、次節で勝利しなければなりません。そして神戸戦でイエローカードを受けた河合チャソは次節出場停止。すなわち、兵働が出場する可能性が高いのです!しかも今は亡き久米副社長が左伴社長に言い残した「このチームは5位以内に入る」という言葉を実現するためには、他チームの結果によるところもありますが、まずは次の長崎戦は絶対に勝利しなければならないのです!

 オレンジ戦士は神戸戦での混乱に惑わされることなく冷静に試合を分析し、特に守備時におけるマークの受け渡しや連携ミスを修正し、失点を回避してほしいです。そして兵働にとって本当に現役最後となること試合で悔いのないように戦い勝利を掴み、リーグ戦5位以内を目指してほしいです。


 あの六反の橙魂が込められたゴールは本当にしびれた。これこそ男の仕事!




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投稿者: tao 日時: 2018年11月25日 15:38

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