メインエスパルス観戦記2009年One for All, All for One

2009年7月21日

One for All, All for One

2009 J.LEAGUE Division1 18th sec.
清水 2-2 鹿島

 15日のナビ杯準々決勝第1戦vs浦和戦では、試合前半でバタついてしまい、それを後半で修正できないまま、貴重なアウェイゴールを1つ決めるも敗戦。日本平での第2戦に望みを繋いだエスパルスは18日、リーグ戦第18節vs鹿島戦に臨みました。
 
 ナビ杯vs浦和戦ではすっきりと勝てなかったエスパルス。そして日本平に迎えるは強豪・鹿島。聖地で鹿島を迎撃するべく、この日はいつにも増して多くのエスパサポさんが日本平へ駆けつけてくれました。その数は実に20,203人!!! 蒸し暑いナイトゲーム、現地でサポートされた皆さん、本当にお疲れ様でした。
 
 で、我が家はこの試合はテレビ観戦...。ってか、この日は所要で私の実家に帰っていました。いろいろパワーバランスがあるもんで...。・゚・(ノД`)・゚・。

 今季、失点数リーグ最小を誇る鹿島から、いかにゴールをもぎ取るか。そして攻撃力の高い鹿島の猛攻を、試合終了までしっかりと集中を切らさずに防ぎきることが出来るのか。今季最大級の総力戦がキックオフ!

 
 健太監督は最前線はヨンセソが復帰して岡チャソと2トップを組みます。2列目はナビ杯vs浦和戦から変更はありませんが、驚いたのはボランチから後ろ。2ボランチには本拓とテルが入り、CBには怪我や累積警告意外では今季初めて、アオがスタメン落ち。代わってイワシ・アラタでCBを組みました。そしてアラタが入っていたSBには敬介が入りました。この選手起用の意図は、試合終了後に健太監督の会見で明らかになります。
 
 試合開始から主導権を握ったのは鹿島。エスパルスは慣れないポジションでプレーする選手が多かったせいか、中盤を鹿島に支配されてしまい、防戦に回る時間が続きます。
 しかし次第に、この試合での健太監督の"選手起用"の意図が奏功しはじめます。ダブルボランチに入ったテルと本拓が"鋭い読み"と"激しい球際"で鹿島の攻撃をすばやくつぶし、そこから前線へパスを供給。攻撃にリズムを生み出します。
 最終ラインも、この日CBに入ったイワシ・アラタが、鹿島から奪ったボールを両サイドを駆け上がるイチ・宏介へめがけてロングフィードを供給。サイド攻撃で鹿島を押し込みます。

 そうです。この試合での中盤から最終ラインの選手起用は、「鹿島から点を取るには後ろからのビルドアップが重要だったが、岩下と児玉であれば、両サイドや前線に良いフィードができると考えた。左サイドの太田に関しては、なかなか真ん中からは割らせてもらえないだろうということで、サイドからシンプルに攻めようという中で彼の攻撃力を生かしたかった」という、健太監督が編み出した"対鹿島迎撃専用攻撃布陣"だったのです。鹿島の内田を防戦にまわらせるという部分でも、宏介のSB起用は意味がありました。

 前半15分を過ぎたあたりから、この"対鹿島迎撃専用攻撃布陣"が機能し始めます。テルが中盤で鹿島の攻撃のキッカケを潰すと、本拓とのパス交換から前線へタテパスを供給。イチと宏介がサイドをえぐってゴール前へクロス。エスパルスが攻撃のチャンスを作り始めます。しかしそこは堅守を誇る鹿島。なかなか最後のところで決定的な場面は作らせてもらえません。
 エスパルスが鹿島に対して攻勢をかけていた前半26分、試合は予期せぬ方向へ動きます。最終ラインでパス交換するさなか、イワシが痛恨のボールタッチミス。これに野沢が素早く反応。ボールをかっさらうと、海人と1対1になり、野沢が落ち着いてシュート。エスパルスが絶対にしてはならないミスから、与えてはならない先制点を鹿島に献上してしまいます。
 その後、失点を挽回するべく積極的にサイド攻撃を展開するエスパルス。しかしそんなエスパルスを嘲笑うかのように、またしても不運な形で失点してしまいます。
 前半終了間際の43分、エスパルスが最終ラインでのパス交換から、冷静さを失っていたイワシが痛恨のパスミス。今度はマルキーニョスがこれを見逃さずにインターセプト。そのままペナルティエリア内に持ちこんでシュート。鹿島に追加点を決められてしまいます。
 
 いままでのエスパルスであれば、ここからズルズル失点するか、あるいは試合巧者の鹿島にボールを持たされたまま攻撃の形を作ることが出来ず、そのまま敗戦という展開になってしまったでしょう。しかし、今のエスパルスは今までとは一味も二味も違います。前半ロスタイム、鹿島の一瞬のスキをついて本拓が前線へ縦パス。そこからヨンセソが右サイドを抜け出し、ゴール前へ速いクロスを入れると、ニアに入った岡チャソが力強いヘディングシュート!ボールはゴール右隅に突き刺さりゴール! エスパルスが1点を返して前半が終了します。

 選手もサポーターも心が折れそうになっていたところに、岡チャソの一撃は"反撃の狼煙"となりました。また、「あまり会見の場では似つかわしくない言葉も言ったので、ノーコメントでお願いします」との健太監督のコメントにもあるような、激しい「喝ぁーーーーーーーつッ!!!!」が飛び、選手は完全に気持ちを切り替えることに成功。後半開始直後からエスパルスが試合を支配し、鹿島ゴールに向けて怒涛の攻撃を展開します。そして後半6分、素早いサイド攻撃から敵陣深くえぐり込んだイチが右サイドからクロス。ゴール前にエダ・岡チャソ・ヨンセソが同時に飛び込み、結果的にエダと岡チャソが相手DFを引き付けるかたちになり、ヨンセソがダイビングヘッドで叩き込んでゴール!! エスパルスが後半早い時間に同点に追いつきます。
 
 このゴールで完全に息を吹き返したエスパルス。逆に折からの暑さと湿度で動きが鈍ってきた鹿島。追加点が決まるのは時間の問題かと思われました。オレンジ戦士も連戦と蒸し暑さで体力的には限界に達していたはず。しかし全員ハードワークを惜しまずに前線から積極的にボールを奪いシュートで終わる。「追加点を取るんだ!」という気迫に満ちていました。
 しかしやはり疲労の影響は少なからず現れ、エスパルスのシュートは最後のところで精度を欠き、また鹿島も必死の守備でエスパルスの攻撃をしのぎ、次のゴールは決まらないまま試合終了。エスパルスが次につながる試合を見せ、値千金の勝ち点1を鹿島からもぎ取りました。


 勝ちたかった。負けなかった。勝てた。結果だけ見てしまえば、そんな試合結果だったといえるでしょう。しかしオレンジ戦士にとっては、それ以上の得がたい"自信"がこの一戦で得られたはずです。
 夏場の中2日の連戦。しかも強豪との対戦。両チームともコンディション調整は完璧とはいえない状況。しかしそんな状況下で、気持ち・運動量・試合内容で鹿島を凌駕したことは、オレンジ戦士にとって、かけがえの無い自身になったはず。
 
 そして何より、自らのミスから2失点をしてしまったイワシを責めることなく、逆に「気落ちしているイワシをチーム全員で助けよう!」「このままでは終われない。絶対に逆転するぞ!」という気迫が、選手にもサポーターにも満ち溢れていた。日本平がひとつになったことが、選手にとって大きな"自信"と"信頼"につながると思います。
 本当に、後半の日本平の雰囲気は凄まじかった。テレビ観戦の私がそう思うくらいなんだから、現地にいた皆さんは、スタジアムを包み込む"一体感"を十二分に体感できたはず。あのパフォーマンスが常に発揮できるようになれば、エスパルスの上位進出は、まだまだ可能盛大だといえると思います。
 
 あの2失点が無ければ勝てたのか...。事はそう単純ではないかもしれません。あの2失点がなければ、オレンジ戦士の奮起は無かったでしょうし、鹿島もゴールを奪うためにもっとハードワークしていたはず。そうなると...。
 とにかく確かに言えることは、この試合でのシュート数はエスパルスが15本に対して鹿島が5本。特に後半だけで言えばエスパルスが10本なのに対して鹿島は1本。この数字が、試合内容を雄弁に語ってくれています。

 試合終了後、選手がゴール裏に挨拶に来て控え室に帰るときに、ゴール裏から聞こえてきた「岩下コール」と、それに対して深々と頭を下げるイワシ。この試合結果が、選手とサポーターの胸に深く刻まれたことは言うまでも無いと思います。


 エスパルスは2点リードを追いつくも、逆転には至らず鹿島と引き分け。勝ち点1を分け合いました。しかしエスパルスにとって、勝ち点以上の"何か"を勝ち得たことが重要であり、そのことが今後のリーグ戦及びカップ戦で大きな結果となって帰ってくることでしょう。
 
 次節の相手は千葉。残留争いを強いられている千葉にとって、1試合1試合が勝負。モチベーションと勝利への執念は並大抵ではないはず。苦戦を強いられることは想像に難くありません。
 
 ここまで強行日程を戦ってきたエスパルス。オレンジ戦士の精神的・肉体的疲労は極限に達しているはずです。次節の千葉戦までは1週間空きます。まずはしっかり休んで疲労回復に専念してほしいです。そして鹿島戦で見せてくれたあの鋭気を十分に滾らせて、攻守にわたり連携と動きをしっかり確認して、一分の油断も見せないように、千葉戦に備えてほしいです。


 それにしても、「あまり会見の場では似つかわしくない言葉も言ったので...」って、なんていったんだろう...。




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投稿者: tao 日時: 2009年7月21日 08:54

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